関東大学リーグ戦 第2戦 昨季優勝校に敗戦も観る者の胸を熱くする

日記

9月26日  朝鮮大5―40東洋大

ラグビーは「番狂わせ」がほとんどないスポーツです。つまり実力差がそのままスコアに表れる。高校生の「花園」でも、大学(例えば関東の対抗戦でもリーグ戦でも)の同じ1部同士でも100点の差がつくゲームがいくらでもあるし、上位に進出する学校を誰でも予想できる。(高校、大学、プロで毎年優勝チームが入れ替わることが多い野球やサッカーに比べて、今一つ人気と裾野が広がらない理由の一つだと言われています。)

昨季の優勝校東洋大との一戦。

もちろんチームに「どうせ負ける」「勝ってこない」なんて思いは微塵もありません。しかし、「勝つことが容易ではない」ことも充分にわかっています。

この間(はざま)にあるものー必ず勝つ、勝てるかどうか、負けるかも、等々とは違う次元にあるものーが、「いかに闘うか」ではないかとしみじみ考えさせられました。それは単に戦略戦術のことではなく、「次に、今後にどう繋がっていくか」さらに言えば「勝敗を超えていかに観る者に期待と喜びを与えられるか」ということだと思うのです。

そしてこの「いかに闘うか」において、朝大ラガーマンは素晴らしい「結果」を出してくれ、観る者に深い感銘を与えてくれました。

5-40。昨季は7-80、一昨年は7-78。

点差が縮まったから「頑張った」と言っているのではありません。

モールから初トライを奪われる前半27分まで、自陣ゴール前にくぎ付けになりながら、全員鬼の形相で相手の怒涛の如きモール攻撃を阻止し続けたその姿は、

観る者の胸を熱くしてくれました。

東洋大さんからすれば、朝大相手に27分まで無得点だったことはおそらくなかったはずでしょうし、押し込み続けながらもそれをはね返してくる朝大の気迫に押されていると感じる部分もあったのではないかと勝手に思っています。

「今年のチームは試合前の準備の仕方がホンマにうまいです。特にメンタル面の。ちょうどいい緊張感を自分たちで作り出せるんです」。試合前にこう話していたリャンジョンテコーチは、初トライを奪われる直前に呟きました。

「これはやられるな。でもお互いに高いレベルでやってるから見ていてほんま楽しいし面白いわ」。(自チームの試合をある意味客観的に見られる彼はホンマすごい。)

「高いレベル」! そうです。2部でトップの大学と「高いレベル」で激戦する朝大ラグビー部だから、「今」に感動し「これから」が楽しみなのです。

(関東の対抗戦―早稲田、明治、帝京などがここに属しますーや関西などの2部の中で関東リーグ戦がダントツにレベルが高いとトップリーグ関係者が言っていました。)

しかし、朝大気迫の防御も徐々に東洋大さんに突破され始め、前半37分の№8キムチソンのシンビン(彼は獅子奮迅の活躍でした)中に3トライ目を奪われると、後半も早い時間に2トライを許します。

朝大は後半36分にWTBのホリョンウクの相手ディフェンス陣を切り裂く30メートルのランで一矢報いますが、終始攻め手を欠いたのが反省点と言えるでしょう。

上位校に連敗するもそのひたむきさと気迫で感銘を与え、観る者全てに「次」と「これから」を期待させる朝大ラグビー部が、心の底から誇らしいです。

30人に満たない部員数、激しい闘いの中で負傷者が出てさらに少なくなるリザーブの選手。(中継を観た人から、ベンチに人がいないじゃないかと言われました。)しかし指導陣にも選手も課題克服を見据えるばかりです。

試合はYouTubeで中継されています。ОB、朝高ラガーマン、保護者の皆様、ぜひ朝大ラグビー部の闘いをご覧いただき、ウリの誇りを抱えた彼らのモールに加わってくださることをお願いいたします。

「感動的」と陳腐な言葉を書くしかない無観客という状況が本当に残念です。

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