激報!明治学院大に快勝!

日記

522日、明治学院大学とのオープン戦が行われ、我らが朝大ラグビー部が34-19で快勝しました!

前回ご紹介した通り、明治学院大は昨季関東大学対抗戦グループBの2位校で、Aとの入れ替え戦にも出場しているいわば「格上」です。

(関東大学ラグビーは対抗戦グループとリーグ戦グループに分かれていて、朝鮮大学校はリーグ戦の2部で戦っています。ちなみに帝京大、明治大、早稲田大、慶応大、筑波大などが入る対抗戦グループAが一般的な知名度が高いと思われます。リーグ戦の1部には東海大、日本大、大東文化大、流通経済大、法政大などが入り、朝大はその2部で8校中、3年連続7位です。)

ウリ部員たちが心待ちにし、在日朝鮮人ラグビー、特にウリハッキョラグビーを物心両面で支援、全身全霊で応援してくださる辰野永氏(通称辰野アボジ)も横浜まで駆けつけてくださった注目の一戦は、本当に素晴らしくそしてハードな激戦でした。

辰野アボジが駆けつけてくださいました。

試合開始から30分近く、一進一退の激しい攻防が続きます。

自陣ゴール前、相手ラインアウトからのモールを朝大FW陣が見事に食い止めたのが、この試合の象徴であり結果の予兆だったのかもしれません。

「FWいい」。FWを指導するリャンジョンテコーチが呟きます。

朝大を支えるコーチ陣

朝大がボールを保持し相手ゴール前に迫るも、明学大の突き刺さるタックルを浴びて後退を余儀なくされます。「明学のディフェンスがいいな。ダブル、トリプルで来てる」。「そうですね。それに比べてウチは個々人になってしまってます」。辰野さんの言葉に朝大指導陣が応じます。

スクラムを押し再三モールを止めるなどFWが優勢に立ちながら、すぐに横に横に回そうとする展開にオヒョンギ監督から喝が飛びます。「外に行かずにFWで行け!」個の力で劣らないウリフィフティーンはすぐに修正し、28分縦の突破から荒ぶる№8キムチソンがトライを奪い均衡を破ります。

先制トライのNo.8 キンチソン

36分にトライを奪われ、前半を7-7で終了。

「もっとシンプルに。自分たちで難しく、しんどくしてる」。コーチのそれこそシンプルな分析とアドバイス、監督の具体的な指示に、前半を通して「十分に行ける」という自信と確信を得た選手たちのメンタルが融合し、後半はスコア以上の圧倒を見せつけてくれました。何よりFWが素晴らしく、スクラムで完勝し、自陣ゴール前の相手モールも押して来ようが回して来ようが見事に対応して止め切ったり、マイボールにしてそこからトライに繋げる場面も。

朝大の野獣 チャンイルソン

そして途中出場したLОミンジェドンの再三に渡るビッグゲイン!

さすがの辰野さんも「あれは誰だ?」(朝高ラガーマンはほぼご存知なので)

「ミンジェドンです。」「ジェ?」「ジェドンです。大学からラグビーを始めました。」「大学から?!」「高校までサッカーしてました。」「いいじゃないか。これからはサッカー部からスカウトしないとな」。

大学からラグビーを始めたミンジェドンは後半途中からの出場で3度のラインブレイクを記録

最後の言葉はまんざら冗談でもないとベンチの誰もが思っていました。

新入部員はマネージャーを含め5人。数年前から30人を切っていた部員数は減少の一途を辿り、この試合の交代要員は何と4人。

気温25度を超える暑さの中、部員数が80人を超える明学大さんは後半、次々と選手を交代させてきます。

そもそもラグビーの試合で、特にフロントローを筆頭にFWは交代を前提にする激しいポジションです。その「前提」がないラグビーチームはわが朝鮮大学校だけではないでしょうか。(昨季公式戦全試合に最激務と言われるプロップでフル出場したチョンソンボ選手―しかも1年生―は奇跡と言われています。)

ウリ選手の、涙が出るほどに素晴らしいのは、どんなに疲れていても、どんなに傷んでいても、「交代はない」ことを当然のように思い(それはもう「悟り」と呼んでもいいかもしれません)、新しく入ってきたばかりの相手選手と互角以上に渡り合う体力、技術、精神力その総合力なのです。

1年生ムンミョンイルはこの試合フル出場

相手チームが複数の選手を続けざまに入れ替える時、誰一人それがない朝大フィフティーンを見て辰野さんが低く、力強く発した一言。「チョーデー魂だ!」

この魂で、ラグビーだけではないスポーツも、勉学も、芸術もやってきたんだという自負が沸き上がり、その最前線で戦っているのがラグビー部なんだという矜持に胸が熱くなる中、終了間際までトライを重ね続けての快勝でした。

1年生ハンファンガンも後半からの出場で高いパフォーマンスを発揮

順位で言えば明らかな「格上」相手の快勝。しかし誰も「ジャイアントキリング」などと思ってはいません。全員が楽しみにしていて、本気で勝ちに行った試合です。それほどに今季のチーム力に指導陣も選手も手応えを実感しているのです。試合後、指導陣も選手も「喜び」より「課題」を充実感を持って口にしていたのが心強いです。監督が辰野さんに「強い相手にいい課題がはっきりしました。」と嬉しそうに言うと、辰野さんは選手たちを「ナイスゲーム!少ない人数ですごいよ!」と激励してくださいました。

朝大ラグビー部を激励する辰野アボジ

新チームになってひと月少々、コロナ禍の制約、練習時間とグラウンド使用時間の制限、そして部員数の超制約の中でここまでチーム力をアップさせた監督コーチの情熱と手腕、それに応える選手たちの努力に、私はただただ目頭と胸を熱くして脱帽、そして喧伝するのみです。「今年はマジで強ええ!」

唯一の心配は負傷者です。現部員がフルに出場できれば今季リーグ戦でかなり暴れられるのは間違いありません。だからこそ「部員求む!」

朝高ラガーマンも、他競技からの参入も。ウリの力でウリラグビー部をさらに強くしていこうではありませんか!

ОB、学父母、同胞の皆さま、さらなるご支援ご声援をお願いいたします。

辰野アボジ、本当にカムサハムニダ!

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