交代なしの80分に「ラスト20分が課題」

日記

朝大3―57山梨学院大

結果だけ見れば「大敗」の一言で片づけられそうですが、いろいろな要素が詰まった、昨季一部に昇格した二校に次ぐ3位だった実力校との一戦でした。

「いい準備をしてきた。自分たちを信じて、序盤で朝大は強いと相手に思わせよう」。オヒョンギ監督が送り出したフィフティーンは、これを見事に実践します。

3-19だった前半。外国人WTBに2トライ(2,3人のタックルをハンドオフでかわす個人技がすごかった)、ラインアウトからのモールトライを許すも大半を敵陣でプレーし、「朝大は強い」を充分に印象付けたと思います。特に、相当強いと予想されていた相手スクラムに最初はなすすべなく押されていたFW陣(コーチから「相手が予想以上に強い」の声があがる)が、早々に立て直し耐えられ出したのは見事でした。14分、相手ゴール前に攻め込みほぼ正面でペナルティを獲得、ベンチから「キックを狙え」の声があがるもタッチに蹴り出しトライを狙いに行きました。結果的にトライを奪うことは出来ませんでしたが、選手たちの「攻めの姿勢」に指導陣も納得の表情でしたし、何よりぶつかり合った選手たちが「圧倒的な力の差」を感じてはいなかったと思います。しかし、いつものことではありますが、後半開始とともにフロントローを含めどんどん選手を入れ替えてくる「新鮮な力」と「交代なし」の差は、残酷なまでに開いていくのです。

この試合、リザーブ一人の16人で臨みましたが、最後まで交代はなく15人がフルで戦いました。フロントローを筆頭にFWが交代しないというチームは、今の大学ラグビーではないのではないでしょうか。負傷しなくても交代が前提、当たり前になるほどの激しい消耗と疲労が、選手たちを襲い始めるのが60分過ぎです。彼らの「気持ち」が切れるとは思いません。ただ、体力が落ち始めることによって集中力が否応なく途切れていくのではないでしょうか。立て続けにスクラムトライを奪われ、マイボールを取られてのトライが続き、みるみる点差が開いていきます。

遠く山梨にまでたくさんの差し入れを持って応援に来てくださった学父母の前で、応援に来たくても来られない遠くの学父母にも思いをはせてうなだれる選手たちを、監督が鼓舞します。

「やってきたこと、やろうとしていることは間違っていない。充分通用している。みんなうまくなっている。でも上に勝つためにはもっと強くならないと。60分からが課題、個人が強くなり、チームが強くならないと」。

翌朝、荷物を降ろした車を動かしにグラウンドに行くと、黙々と練習する一人の姿がありました。

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