「マネージャーを含めて一つのチーム」が嬉しい―チョンソニマネージャーに聞くー

日記

新学年度、新シーズンを迎えてのラグビー素人部長ブログ第一弾は、部の内外から昨シーズンの「MVP」と称えられているこの学生を紹介させていただきます。

ウリ チュム(我らがマネージャー)、チョンソニ(鄭仙希)トンムです!(盛大な拍手)

―まず、朝大ラグビー部あるいはラグビーとの関りを教えてください。やはり東京朝高ラグビー部のマネージャーだったのですか?

「全く関わっていません。朝高時代は舞踊部でした。初級部4年から9年間、舞踊部一筋でした。」

―えー?舞踊部?東京朝高舞踊部から朝大ラグビー部のマネージャー?…

 渋い、渋する。

「ご存知かと思いますが、東京朝高の舞踊部ってものすごくハードなんです。休日もほとんどないくらい。それで大学では部活をしないで勉強に集中しようって思ってたんです。入学して夏休みまで、そうやって過ごした期間が本当に新鮮だったんですけど、どこかで、何か足りないかな、っていう思いもあったんですね。

 ちなみにラグビーやラグビー部との関りは元々あって、オッパが朝大ラグビー部の主将だったんです。(※2018年度主将のチョンサンス氏)

 だから、ずーっと家族でラグビーを見る機会も多かったですし、朝大に入学してからは、オッパの後輩であるラグビー部の先輩たちからもサンスサンスっていじられて、マネージャーで入って来なよって誘われもしてたんです。

 その時の4年生、オッパの次の主将だったスリュンオッパ(クボタスピアーズ金秀隆選手)もすごく関心を持って接してくれていました。」

―先輩たちから誘われたんですね?マネージャーについてオッパは何か言いましたか?

「やって損はしないっていう言い方でした。いい環境だって。ただ、やらなきゃいけないっていう使命感とかでやるものではない、とも。まあ、大変だなっていうのはわかってましたし、入学した夏までの時点では(マネージャーは)ないなー、だったんですけど、夏休みを終えた9月には、ありかなーってなったんです。当時マネージャーは4年生のオンニ二人だけで、すごく大変そうで見過ごせなかったっていう思いがあって。でもシーズン中に入るのは逆に迷惑かなとも思い、翌年の4月を待って入ろうとしたんですけど。で、結局10月に入部することになりました。先輩マネージャーがいる内に入った方がいいっていう決断でした。はっきり憶えています。1023日に監督に会いに行ってマネージャーとして入部しますって。監督は、じゃあ明日から来てって言われました(笑)。そして初日から、ラグビー部員たちがチョンサンスが来たっていじってくれました(笑)。」

―入ってみて、どうでしたか?

「すぐに、失敗したと思いました(笑)。日々の練習でしなければいけないのが、負傷者のケア、水、時計なんですが、負傷者と言っても大ケガなんです。(笑)どう対応していいかもわからなくて。先輩が二人いてもてんてこ舞いでずーっと仕事に追われっぱなしって感じで。」

―その先輩二人も半年後には卒業しました。

「はい。2年生になって半年一人でしたが、10月に1年生が二人、男子と女子が入ってきてくれて3人になって。ようやくラグビー部のマネージャーとしての体制というか形が整ったかなって嬉しかったのですが。」

この部分は、彼女の言葉ではなく筆者が客観的に書こうと思う。冒頭の「MVP」説に関わるからである。

新しく入部した二人のマネージャーが、諸事情により昨年の夏の終わりまでに相次いで退部したのだ。またまた一人になって、関東リーグ公式戦を迎えることになったのである。

毎日の練習に顔を出すわけではない筆者だが、たまに覘く(本当にその程度)だけでもその業務のハードさに圧倒されるマネージャーの仕事をたった一人で担うことの大変さを、軽々しく「わかっている」なんてとても口に出せるものではない。その仕事は主にどんなものなのか。

「常日頃は、ビブスの洗濯、テーピングの補充、痛み止めやコールドスプレーなどの薬品の準備、水の準備で、練習前と試合前はそれに加えてユニフォームの整理と負傷者の対応、練習と試合後はアイシングと後片付け、洗濯となります。」

―ラグビーのマネージャーは特に試合中も大変だと思います。双方のトライ後に水を選手たちに持って走りますよね?

「はい。こちらがトライした時はハーフライン付近の自陣に行けばいいのですが、相手のトライの時はゴールポスト後方まで持っていくので遠いです。2部の上位校との試合ではけっこうトライを多く奪われるので、行く回数と走る距離が増えてキツイです(笑)。」

―相手チームは男子マネージャーが数名いて、ボトルキャリーっていうのかな?ドリンクボトルを入れてガラガラ引っ張って走ってたけど、うちは女子マネージャーが一人で両手に持って走っていた(笑)。

「早く買ってほしいです(笑)。」

―他にキツイことは?

「冬場のアイシング作りですね。ビニール袋を縛らなくてはいけないので素手でやるしかなくて。昨シーズンは負傷者が多くて、彼らがアイシングも含めてすごく手伝ってくれたんですけど、複雑な気持ちでした。マネージャーの仕事を負傷者にさせたくはないんです。その分彼らが試合を観られませんから。出場出来なくても試合を観て勉強しないといけないのに、マネージャーが一人なのでどうしても…」

―その負傷者のケアもマネージャーの仕事なんですね?

「はい。だから基本的なメディカル知識も必要で、運動クラブのマネージャーを集めての講習も開かれて、怪我の応急処置なんかも学べるので助かっています。」

―うーん、マネージャー募集がこのインタビューの目的の一つでもあるんですが、マネージャー業務がこうも大変だという話題ばかりになって逆効果かも?

「大変さよりも、喜び、楽しさ、ポラム(やりがい)の方が断然大きいです!

何かあとづけのようですけど(笑)。入部する前にオッパが言った、いい環境、損はしないっていうことが、ホントその通りだと思ってます。朝大ラグビー部という集団が、本当に一緒にいて楽しいというか、いやすいんですね。選手とマネージャーの間に何もなくてスムーズに輪の中にいられる、マネージャーまで入って一つのチーム、っていう考え方、空気が当たり前にあるんです。それが一人一人が意識して作られたものではなく、長年蓄積されたラグビー部の歴史、伝統といったものになってるという感じで、それが素晴らしいと思います。」

―全く同感です。私自身、「朝大ラグビー部のこの魅力は何だろう?」っていつも思っています。私もそうですが、元々ラグビー部出身ではないが応援する、手伝うよって言ってくれる人がこんなに多い部はないんじゃないかと。

「今シーズンが最後、っていうのがすごく残念で淋しいです。1年時からやってればよかったって。自分が舞台に立ってライトを浴びるよりも、裏方として周りをバックアップすることの大切さ、それで成果が出た時の嬉しさが大きいです。選手たちが活躍して試合に勝てばもちろん嬉しいですし、いつもありがとうって感謝してくれる選手たちの必死のプレーを間近で見られるだけでも嬉しいですし感動しています。体を張り続ける4年生に引っ張られてどんどんチームが一つになっていく、これを目の当たりにしながら、自分がその輪に加われる、力になれるというのが本当にポラムです!」

昨季、というか近年ずーっと、レベルが高いと言われる関東リーグ2部を二十数人の部員で戦う朝大ラグビー部。その中で一人マネージャーとして奮闘するチョンソニトンム。彼ら彼女を見て胸を熱くし何かしら力になりたいと願う大人たち。その端にかろうじて立たせてもらっている私には、こう呼びかける他に何の力もありません。

朝高ラグビーの経験者も未経験者も、朝大でラグビーしようよ!自らの力でウリハッキョ、ウリチームを強くしようよ!

そして、男子でも女子でも経験者でも未経験者でも、、マネージャーとしてウリラグビー部をサポートしようよ!朝大生活をさらに意義深く充実したものに出来ると約束します!

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