朝鮮大学校ラグビー部は今、充実・鍛錬の夏季期間(8月5日~13日関西遠征、17日~22日菅平合宿、それ以外は学内合宿)を終え、数日後(15日)に開幕するリーグ戦を見据えて静かに(一部そうではない者も)、そして熱く爪と牙を研ぎすまし闘志を燃やしています。オヒョンギ監督に夏季の強化月間を概括してもらいました。
「何よりもまず、ほぼ一か月に渡る長期間、ラグビー部の活動をあたたかく、強固に支えてくださった学父母をはじめとする同胞の方々、そしてОBの方々に深く深く感謝いたします。よく物心両面という言葉が使われますが、心には時間、労力などが大きく含まれると思います。関西遠征期間は北大阪朝鮮初級学校を宿舎に使わせていただき、大阪のオモニムたちが毎日の朝晩の食事を賄ってくださいました。選手のオモニムだけではなく、ハッキョの近くにお住まいのオモニムや本当に多くの方々が時間と労力を厭わず栄養満点のおいしい食事を作ってくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。そして合宿の全期間に渡り多大なるご支援をいただいたОB会の皆様、特に二日間の京都滞在を全面的にバックアップしてくださった京都ОB会の皆様に、この場をお借りして心よりの感謝を申し上げます。
学父母の皆様、ОBの皆様、本当にありがとうございました! そして新井遥菜さん。大阪朝高ラグビー部のトレーナーをされていた氏が遠征に帯同してくださり、選手の体調チェック、ボディケア、テーピング、治療と大車輪で部を支えていただき本当に助けられました。ありがとうございました!同胞学父母、ОB、そして朝大ラグビー部を応援してくださるたくさんの方々のお気持ちとお力に支えられて、満足のいく充実した関西遠征を全うすることが出来ました。大経大さん、摂南大さん、龍谷大さん、関学さんの関西の強豪大との実戦形式の合同練習を行えたことは、フィジカル面、経験面で非常に大きかったですね。戦術的な部分の確認が出来て、フィジカルバトルで負けた奈良トライ人フェスタ・天理大戦の教訓、課題をある程度克服出来たと思います。もちろん完全に克服出来たわけではなく、個人面でもチームとしてもまだまだ足らない部分があるということを共有出来たのが、成果だと捉えています。
この関西での教訓と課題を省みながら確認しつつ、戦術的な部分をより成熟させるのが、菅平合宿のテーマでした。8月31日に予定されていた愛知・在日コリアンラグビーフェスタ(台風のため延期)とリーグ戦のいわばリハーサルという位置づけですね。東北学院大さんとの合同練習を経て、今夏唯一の試合(40分ハーフ)となった成蹊大さんとの練習試合がその最終リハーサルということで、春から取り組んできたさまざまなことを満足できるレベルで表現できたという総括になります。(対抗戦Bグループ上位校である成蹊大に59-12で快勝)そして、戦術的な部分の成長、成熟とともに1年生の成長による底上げが出来たことも大きな成果だと思っています。学内合宿期間、経営学部の4年生たちが実習でいない間にそのポジションに入った1年生たちがすごく成長しました。成蹊大戦で4人がスタメン、5人が交代で入り充分戦えたことで、戦力拡充の手応えを実感できました。リーグ戦前の最終確認と位置づけていたラグビーフェスタの延期は想定外だったですが、3週間の準備期間が出来たとポジティブに捉えています。
負傷者がいないわけではなく痛手でないわけもないのですが、昨季までの『どうしようか』という悩みというか焦りの質量はだいぶ違います。それだけいい準備が出来たということだと思います」。
菅平合宿最終日の夕食時、監督・コーチ陣が選ぶ「合宿表彰」がありました。МVPにムンミョンイル(3年)、準МVPにハンファンガン(3年)とカンジョンフン(4年)、ルーキー賞キムドンフィ(1年)の顔ぶれです。拍手で祝い激励する全部員の笑顔の中に、「次は俺だ」「リーグ戦では負けへんで」の気概とプライドが滲んでいたのが印象的でした。昨季までとは質的に違うチーム内の競争意識が互いを刺激し合い、チーム力を強く大きく引き上げているのだということがはっきり見て取れました。
さあ、「感謝」と「使命」というアーマーに心身を包み、いざ「収穫」の季節(とき)を迎えます。
15日15時朝鮮大学校グラウンドでKICKOFF。昨季2位の専修大に勝つことを「魂気(ほんき。今季のチームスローガン)」で考えている朝大ラグビー部に、乞うご期待、乞うご注目、乞う大声援!です。